不動産投資とは?④
3.空室時の収入減
入居者がいる間は安定した収入が見込めます。しかし空室時には家賃収入がなくなります。一戸のみの保有の場合、空室時には収入がなくなります。
4.固定費・運用費(ランニングコスト)がかかる
不動産は購入したら終わりではなく、管理業務が必要になります。管理には2つあり、建物管理と賃貸管理があります。
建物管理は分譲マンションの場合、管理費や修繕積立金などの費用がかかります。
例えば管理費は、共用部分の清掃、エレベーターの定期点検など、入居者の快適な暮らしを維持する費用です。
修繕積立金には、約15年に1度の建物の大規模な工事のほか、給水ポンプの交換費などが含まれます。
対して賃貸管理は、入居者とのやりとりや退去時の原状回復など、部屋の内部で起きることに対する業務です。詳しくはこちら。
5.不動産価格下落の可能性
不動産は月日がたつごとに、一般的には価格が下がるものといわれています。それは経年により建物や設備は劣化するからです。購入時よりも不動産価格が下落する可能性はあります。
ただし、立地が優れていたり、管理の行き届いた建物であれば価値を維持できる場合もあり、そのためにも建物の管理は重要といわれています。
なお市場の影響を受け、需要の高まりによって不動産価格が上昇する時期もあります。
6.天災の可能性
台風や地震など、世界規模で甚大化傾向にある自然災害等により不動産がダメージを受ける可能性もあります。
例えば大雨による浸水被害にあった場合にはその復旧費用がかかります。地震による最悪のケースでは、建物に入ることができなくなり家賃収入がなくなる可能性が考えられます。
7.金利上昇の可能性
不動産投資ローンを変動金利で組んでいる場合、金利上昇が起きたとき、それに伴って返済金額の負担が大きくなります。
不動産投資の利回り相場
メリットおよびデメリットがわかったところで、気になるのは実際どれくらい儲かるのかというところではないでしょうか。1つの指標として使われる「利回り」でみてみます。
参考になるのは先輩不動産投資家がどれくらいの利回りを求めて不動産投資を行っているかです。なお、不動産投資の利回り計算方法はこちらをご覧ください。
一般財団法人 日本不動産研究所の第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)の調査によると、東京および政令指定都市において、次のような期待利回りとなっています。
ワンルームタイプ:4.0〜5.5%前後
オフィスビル:3.3〜5.5%前後
商業店舗:3.5〜6.4%前後
物流施設・倉庫:4.0〜4.7%前後
宿泊特化型ホテル:4.6〜5.7%前後
参照:一般財団法人 日本不動産研究所 不動産投資家調査をもとにRENOSY編集部にて作成
東京のワンルームタイプは城南地区で4.0%、政令指定都市では広島市において5.5%と地域によって開きがありますが、上記のような期待利回りを不動産投資に求めていることがわかります。
不動産投資を始める際の初期費用の目安
不動産投資は、購入する不動産の種類、購入相手によって大きく変わってきますが、必要な初期費用は、仲介手数料を含めて
物件価格の8%〜10%
あればよいとされています。
仲介業者を通さず直接売主から買う場合は仲介手数料が発生しないので、取引の仕方によって初期費用は上下します。
不動産投資にかかる初期費用には、主に以下のようなものが含まれます。
仲介手数料(不動産仲介業者を介す場合)
ローン事務手数料
ローン保証料
火災保険料・地震保険料
不動産登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
各種税金(不動産取得税、印紙税)
不動産投資の勉強方法
不動産投資において情報や知識はとても重要です。代表的なものは、本での独学やセミナーやウェビナー(オンラインセミナー)への参加が挙げられます。
また、セミナーやウェビナーは信頼のおける不動産会社と出会える機会でもあります。
- どのような人が不動産投資をやっていますか?
年収500万円以上の、一般的なサラリーマン・OLの方が多い傾向です。
- ワンルームマンションとファミリータイプはどちらが投資に適してますか?
目的によって異なります。キャピタルゲインをメインで狙い、かつ一定のリスク許容度がある方は、ファミリータイプが向いています。
一方で、リスクを極力抑えながら、安定的なリターンを求めていきたいのであればワンルームマンションが向いています。
都市部における単身者世帯の増加は顕著で今後も高い需要が見込まれますので、空室リスクも低く賃料の安定も見込まれます。また、リフォームやメンテナンスにかかる費用と期間もワンルームの方が有利です。
- 不動産知識のない初心者では難しいのではないでしょうか?
不動産の管理については所有者が行わずに管理会社に任せるという方法があります。初心者で賃貸運営ノウハウがなくても不動産投資を始めることはできます。
物件の選定に関しては、将来性のある立地かどうかを含め、収益のシミュレーションを事前に確認する必要があります。
- 不動産投資に失敗してしまうリスクはないのですか?
もちろん、可能性としてはあります。ただ大前提として、何を失敗とするかの定義づけが大事です。
例えば、不動産投資を行った全期間で損失が出ることなのか、突発的な支出が一定金額以上出てしまうことを失敗と定義づけるか、などです。
目的に沿って失敗を定義づけて、成功の可能性を高めることが大切になるのです。